[ 聞き返したのにはどう答えが返ってきたか。続けて問われた恋人の有無には、緩めた目を丸くする。
――先ほどまでの自身はそんなに“嬉しそう”だったのだろうか。恋人、と自身達の持つ獣人避けオーラとは違うものを持つ、彼とのそれはただ胸中に留める。]
――、
[ 否定を次ぎかけた声は、通知を改めた端末の振動>>201 に途切れた。ごめん、と相手に断って開けば。
その文面に僅かに――薄笑いのそこがぴくりと硬くなる。先ほどまでのクラリスとの会話を思い出せば、暗灰色に淡く色を落とした。
一度端末を閉じれば彼女へと向き直り、そわそわとした様子>>237 に何度か瞬きを繰り返す。]
――用事? ああ、そうだ。
[ 思い付いたように薄い鞄を持ち上げ、連絡先と――住所は、勿論手紙の為に。書いたメモを差し出した。]
配達員サンなのにクラリスの字、見た事ないから。
[ そっちでも話してよ、と軽い口調で告げる。
その後、彼女が移動するようなら引き止めようとすることもなく。
ただ視界に映る雨粒を眺め、大丈夫かと尋ねるように視線を送っただろう。]
(245) 2014/10/06(Mon) 02時半頃