[盛大に主張するヒューの腹の虫に、思わず吹き出して、マスターと二人笑い合う。>>232]
じゃあ、なにか食ってけよ。
俺は薬の配達済ませてくるから。
[酒は今度奢ってやるさ、とニッと歯を見せて。
じゃ、と挨拶して出ていこうとしたら]
フ、フラン…よお。
[浅黒い肌に漆黒の髪。派手な造りの顔は相変わらず迫力がある。同い年の、顔馴染み。>>240
猫目の瞳にじいっと見つめられると、なんだかどぎまぎするようになってしまったのは、彼女が立派に「女」になったからか、自分が男になったからか。
此方のぎこちなさなど気にも留めない仕草で、さっさとエプロンを身に着けると、早速ヒューに声をかける。値引きはしないよと笑う姿は、すっかり板についたものだ。]
旅人だってさ。怪我しちまったみたいでな。
しばらくここに居るみたいだぞ。
[名前はヒューだ、と伝えかけた時だったか。
またしても懐かしい顔ぶれが、ひとり。>>243]
(244) 2015/04/18(Sat) 03時頃