―― if ――
…………もがみ、だから。
[自分の表情や喉の奥のくぐもった声。指摘されて、小さな、途切れがちの声で答えた。自分の身に押し付けられた相手の情熱。嬉しくて、そこにあたっている腰をかすかに揺らす]
―――っ、 ぅ、あ
[背中が畳につけば、もう言葉は形にならない。押し殺された音だけが潜めた眉をくぐりぬけ、漏れ出る。最上の重さが嬉しかった。問いかけにだって涙の混じる瞳で彼を見上げるばかり。しょうがないので、背を浮かせるように彼の目尻に口付けた]
[いつもみたいに手は自由に動いてくれない。
震える指で最上の服を暴いているうち、肌に最上の口付けが降る。そのたび肌は振るえ、少し高い声は漏れ出でて、特に、自分以外誰も触れることがないと思った箇所に彼の手を感じれば、どうしようもなくなって自分の左手首を噛んだ]
[ほんの少しの触れ合いでも満足できるように、我慢に我慢を重ねていた肌。飢えてたそれは、急な刺激の量に全身へと眩暈や酩酊をよこす]
…………もが、み ごめ……
[それは何に対しての謝罪か。いつもより鈍い動きで、彼の腰のボタンを外すと自分もそちらにゆっくり手を伸ばしてく]
(243) khaldun 2011/05/28(Sat) 00時半頃