あの、馬鹿…!
[何の為に炎を張り巡らせてやったと思ってる。
残骸が彼女の身を割いて行く>>237>>238のを横目にみながら、しかし助けに動く事は叶わなかっただろう。
使い方を誤れば自らを焼きかねない炎を従えて、よそ見の具合によっては、纏う炎が此方の敵にも成り得るのだから。
七緒には悪いが、少し利用させて貰うとするか。
いくら彼女のナイフを弾いても、運ぶ風までは封じる事までは出来やしない。
風の流れにそのまま炎を混ぜ、渦巻く炎は視界を覆う程濃く赤い。熱に揺れる陽炎に周囲の風景を滲ませながら、
麗亞の放った光の軌道>>240とほぼ入れ替わりのように、防御を決め込む女の元に飛び込んで行く。
遠距離は盾で、
近距離は槍や剣で。
阻まれ続ける隙のない鉄壁>>239にイラつき手を止めたって何もいい事は無い。
秋津の当主を助けに走るより、それより先に潰すか此方に意識を向けさせるか。その判断の方が早かった。
なにせ自分は、そういう戦い方しかできないのだから。
優しさの属性を司る白い翼とは極端に、己の黒い翼と血脈は、壊し続ける事に意味がある。]
(241) 2015/09/19(Sat) 17時半頃