[腰を屈めて少年に向けて疑問を投げかけてきたのなら、伝わるのはぐつりと煮えるような怒りの気配>>238。小さく震えたように見えた――実際は平手打ちを堪えた結果なのだろうが、まぁどちらでも男にとっては変わらない――少年の腕に僅かに満足し、背けられた顔>>239には少しだけ心が安らいだ。]
………、赤の王に、白の騎士。
やはり、"鏡の国"……か。
[三月兎の落とした言葉>>206。"不思議の国には居ない王"の話を聞けば、浮かぶのは恐らくは先程まで自分の居たであろう世界とはまた"別の国"でのお話。
"アリスは二度夢を見る"。三月兎の言葉を借りるのであれば、アリスが"二度目"に迷い込む国の話。
嗚呼、しかし。何と言う事だろう、其処まで聞いて思考を巡らせるも、なぜだか鏡の国の事に関してはあまり頭がクリアになってはくれやしない。
幼い頃、或いは大人になってからも。暇があれば読み耽っている童話や神話のうちのひとつ。
頭に叩き込まれている筈の、"鏡の国のアリス"のその物語。しかし何故だか今は、それに対する記憶が酷く曖昧だ。]
(241) 2015/06/21(Sun) 11時半頃