[>>233ネクタイを絞められている間、自信の乏しさを聞き
不格好なら急いで出たと言い訳するからと微笑んだ。
慣れた手つきの侍女の其れとは異なるが、
グレーのタイが結ばれてゆけば、小さく安堵の息をつき
問いかけに返ってきたのは切なく歪んだ様相と、
襟ぐりを寛げられて送り込まれた外気、
微かな涼しさを削ぐような薄皮への口付け。
吸われる皮膚に鬱血の華を咲いた頃合、微かに眉根を寄せ]
切っても切らなくとも、…俺の唯一は君だけだよ。
だから、どうしても他の男が恋しいというのなら
俺に君を留める手など無いのがね、
[心までは金で買う事は出来ないから、彼女の心に箍を付けられない
喩え首輪をつけたとしても、彼女の心は彼女だけのもの。
だから、その誓いが何より胸に充足の暖かさを与えてくれる]
――そうか、其れなら君と共に居ない時も安心できる。
……、あのなぁ、
(240) 2014/10/08(Wed) 13時頃