ー淑女の船内へとー
[特に急くこともなくゆったりとした足取りで船内へと。
さあて大物は何処へ潜んでるやらと辺りを見回してみる。
順当に行くなら船長室だろうが果てさて。
そうしていると先に船内へと足を踏み入れていた船員の姿>>190を道化は見つける。彼の視力があまり良くないことは承知しているので近づく前に声をかけた。]
モンド。私だ。
[「悪くない」
それが初めて彼のダンスを目にして口にした言葉だった。
どこか熱情すら感じられる彼の華麗な踊りは充分役に立つだろう。
そう判断した道化はそれまで捕虜のような扱いをしていた彼を晴れて絶望の一員として迎い入れた。
彼が何故デゼスポワール号を選んで乗りたがったのかは道化には分からない。大方地上で生活が出来なくなって海に逃げ込んで来たのだろうと考えている。
時折モンドが道化を見つめる目に何らかの想いが籠っているようにも感じられることもある。
きっとそれは「恐怖」という想いだろう。他の船員たちと同じように。
道化はそう捉えた。**]
(240) 2014/12/08(Mon) 16時半頃