チェビィ、
[ いついつも――朝も夜も人工的につくられるここで、年月や“きせつ”のそれは、鈍い頭に殆どすり切れていたが――記憶のうち、
かわらないままだった気のする彼のなまえは、いつかどこかできいたのだったか。
わずかに“マトモ”な低い声で、ふると揺れる頭へ落とす。
それでも髪に触れる湿めった空気が。空腹が。じわとその身からたつにおいが、どうあっても。――ヒトにはなりきれない、と叫んでいる。]
しんかい、
[ きみの、と覗き込まれる瞳>>189に一瞬、獣ともひととも付かない、“乞い”を滲ませながら。
それはそとの? おれにもあるける?と、
おれはいつになったら、と。
綯い交ぜになった意識がおおきく平均台上で傾いていく。
――それもぐう、と服下、再度本能が鳴けば、ひたと乾く喉奥側へと雪崩こみ。パコン、と存外軽い音をたてマスクが外れたなら、
まるでにげだすように、鮫は亀に歯を立てかけた。
ものの、*]
(238) 2015/07/12(Sun) 00時半頃