うぉっ、何こわい。
[息を切らせながら言い切った文句に反論もなく。
身構えてたら、上出来だ、なんて微妙な褒め言葉が降ってきた。
変な顔をしているだろう口から本音が零れる。
いやこわいだろあの文句に嫌味のひとつも返ってこないなんて。
転がってくる酒樽に気を取られ、視線は一度足元へと。
樽の側面に何枚かの符を貼る。移動術のひとつ。
顔を上げると置壱が箒で身体を支えていた。
その、姿に。息をのんで、遠い場所から変な顔で見上げる]
声が、大きいのは。うるさいのは仕方がないだろ。
っつーかあんたこそふらふら出歩いてんなよそんな姿で!
気休めかも知らんが禊でも湯浴みでもしろよ!
おれだって来たくて来たわけじゃねーし!
呼んだのあんただし!
朧さまが仰っていた、祟り神に気をつけろよって!!!
[符の貼った酒樽をひょいと抱え上げて。
置壱に一度視線を向け、言葉を残して山頂へと跳んだ*]
(238) 2013/08/12(Mon) 23時頃