顔だったのかなぁ。ほんとの切っ掛けは知らないや。
俺、その親に飼われてたんだよね。
もっと小さい、ほんの子供の頃からさ。
[>>228語るのが嫌なわけではなくて、過去を見るより今を生きたいだけ。
だから、今この場にいるクシュンが興味を示してくれるなら、口からするする、昔話は出てくる。]
ちょうどさぁ、オペラと交響楽が盛んな時期でさ?
俺のほんとの親も、売れないながら音楽やってて、俺もそういうふうに育てたかったみたいなんだけど。
金に困って売られたのか、さらわれたのか拾われたのか、まあ何だか知らないけど、途中からその道楽吸血鬼のペット兼下働きみたいな感じで一緒に住んでたんだよね。
で、遊んで暮らしてた――というか、遊ばせてもらってたのかな。
気に入られて守られてたのは、知ってる。
[面食いだったことも知っているので、血を飲まされたのはやっぱり顔なのかなとも思うし、自分が死ぬ前に俺を生かしたかったのかもしれない。
詳しい理由は、聞いたことなかった。]
(235) 2018/11/07(Wed) 00時頃