―時計塔―
[研究所《ドック》から出ると、大型二輪車に擬態(トランス・フォーム)した《ガルム》に跨り、エンジンをふかす。
先程、其のままの姿でも背に乗れるところからして、この擬態は完全に単なる趣味だ]
さて、先刻やった前払いじゃ、これ位が限度ってところか。
アタシはもう一度ヨーランダに会いに行こうと思うけど、お前どーすんの?
[ついてくるようなら拒みはしないし、対価の魔力を要求されるのならば与えただろう。
そうして、時計台の麓へとつく。
先刻と同じように呼びかけるが―――…ヨーランダからの応答はない]
…どういうことだ?
此処で飛ぶのは目立つな。中から上るか
[時計塔の中に入ると、そこで目にしたのは、休息をとる探索者《ルスカドール》ヴェラの姿だった]
…お前は…
どうしたんだ、一体?
[彼のコアを傷つけたのが己だなどと知らず、目を丸くする]
(233) 2010/09/16(Thu) 01時頃