[ほんの数秒前、そこには行き交う人が居た。
あのドレスの女性の後ろにもおしゃべりをしている中年の女性が数人見えたのに、今は辺りを見回しても誰も居ない。
ヒュウと鳴る風は余計に寒さを増して、ストールをぎゅっと掴んだ]
(いくらさっきの人と街のみんながグルになっていても、こんなに唐突に人が居なくなるなんて……。)
[どういう仕掛けなのだろう、本当に悪戯なのだろうか。
風の音が鳴る街の中で自分の心臓の鼓動だけがやけにうるさく聞こえる。
そんな折り、不意に声をかけられ>>0:219て、ひっと小さく悲鳴を上げながら声のする方を振り向いた]
あ、あの……み、みなさんどこに行ったのでしょうか……?
[街の人が出てきてくれたのだろうかと思いながらも、先ほどの女性の事もあり少し怯えた体で男の人に街の人の行方を聞いてみた]
(231) 2011/10/20(Thu) 01時頃