[なんとなく、外がやかましいと思っていた。
ドアノブがガチャりとどういうわけだが、泣きたくなった]
は……?
[はじめに入り込んでくるのは、真一。いや、猫──あるいは生首の怪異──レンコンだった。猫のしなやかさで真一の肩を飛び越えるようにして入ってくる。一人と一匹についで入ってくるのはおもん。和服を着ている。それから、ザーゴ先生に、剣真も見えた]
おいおい、インタビューに押しかけかよ。
♪
さんざん向けたマイクロフォン とうとう俺に向けるかい
開けてびっくり玉手箱 開けなきゃよかった賞味なとこ
とはいえ俺にも意地はある 美味しかったと笑ってみせら
複雑怪奇な大人味 饐えた酸味が目にしみるだけ
♪
[突然の来客に、なぜだか涙が滲んだ。同時に、思わず笑みが漏れる。満面の笑み。キャスター付きの椅子でくるりと周り、くびから下げたカメラを目の前に構える]
(228) 2018/09/19(Wed) 07時頃