[ちょうど手元にあった疑問を投げてみたところ、彼>>209には思い当たる店があったようだ。
 いくら出不精とはいえ10年近く過ごした土地だ。具体的な情報>>210を聞いて記憶からだいたいの見当をつけていたのだが、大田>>211は再び固まっていた。
 しかし今回の硬直はあまり長くは続かず、当たり障りのない返事のみが戻ってきた。
 思案に、瞳が流れ星のように斜めに落ちる。
 積み上がる己の洗濯物をとっかかりに、直近の言葉を掘り返してみる。]
  ……そーね。
[分かったような、分からないような。
 ただ、胸の内に大きな飛沫が跳ねた。例えるなら、あの時>>1:163みたいに。]
  何というか、分からんでもないな。
[主語のない呟きひとつ。綺麗にした籠に詰め込まれた洗濯物を抱える。山が両者の間に立ち塞がり、表情はマスク以上に見えなくなった。]
 (225) 2021/02/17(Wed) 22時半頃