[――それは5年前にこの村に住むようになる前の、東の国での記憶。
住んでいた村を、突如魔物の群が襲った
小さな村だ。戦える人数はたかが知れていた
何故奴等は現れたのか。今でもそれは分からない。所詮多勢に無勢、村はあっという間に壊滅状態に陥った
自分はと言えば山へ出かけていて無事ではあったが]
あンときあそこにいりゃ、ちっとはどうにかなったか?どう思うよ。
お前等の代わりになんざ…おこがましいがな。
[鍔を弄りながら、何処へともなく問いかける。自分に対する情けないような気持ちと申し訳ない様な気持ちがないまぜになる。
何故なら、こうして身を寄せていた村の遺品を回収して勝手に売っているのだから]
…いや、もう済んだ事を考えても埒があかねぇ。明日の事でも考えるか
[そうして鍔が入った箱を持ち、居間へと戻っていった]
(224) 2013/08/03(Sat) 00時頃