[先のようにうろから何かが、今度は紙のようなものが出てくるのを見る。よく見れば、それはキャンディかチョコか何かの包み紙のようだった。枝がそれを摘んで揺らすのを見る。持っていないという意思表示なのだろうか、と思った。
とはいえ、たとえ本当に持っていないとしても、だからといって和平が成立するとは思えずに。
己が呼び出したらしい犬が動く木に飛び付くのを、木の表面がめくれるのを見る。悲鳴のような鋭い音が響くのを聞き]
おー…… 頑張れ、犬!
[拳を握って応援する。能力の使い方はよくわからなかったが、とにかく己の意思は汲んでくれるようだった。と、脇の雑草がいきなり伸びて犬を締め上げ出すのが見え]
うお、反撃か! ……どうすりゃいいんだ、これ。
他のもんも出せるのかね……?
[出ろ、出ろ、と念じてみる。思いは通じたらしく、地面から、今度は小さな何かが――ネズミらしきミイラが、一匹だけ、出てきた。自覚したばかりで、未だ満足には能力を使えないようだった]
……と、とりあえず、行け!
[一応続けて飛び掛らせてみたが、防ぐのは容易だっただろう]
(224) 2011/10/20(Thu) 23時頃