[生きてる、と戸高センパイが言うのが聞こえて>>215、アタシは声のする方を振り返った。 弱々しく、ともすれば倒れてしまいそうなバランスで、けれどミタシュは自分の力で、脚で、立っている>>195。 一瞬、震えが走るような怖れがアタシの中に芽吹いた。 ――アタシは無意識に、ミタシュがこのまま起き上がらないでほしいと思っていたことに気づいてしまった。 コーちゃんを目の前で撃たれたことと、その弾があの子を生かすための一発だったこと。 それが重なって、吸血鬼が――ヒトの形をしたものが銃で撃たれることを受け入れてしまってた。 そうやって殺されることを、受け入れてしまってた。 そんなのって、怖すぎる。]
(223) 2019/05/07(Tue) 22時頃