…もう幸々戸の当主殿には、
十分すぎる程顔を合わせたと思ったんだが、なあ。
[さて自分はどれほどあの家に通い詰めたか。
長男がうろついていた頃と比べ随分姿を変えていく幸々戸家の様子を間近で見据え、しかしそれを悪と思う事は決して無い。
何時の間にか懐かれた幸々戸の次男にこれ幸いと幾つかの問題の解決を頼みこむ事も、在りはした。
全ては、以前の幸々戸と三黒の様子からは考えられない程の事であろう。
唯、日に日に兄を真似始める次男の姿に対しては、家の者と共に困ったものと頭を抱えていたのだが。]
別に、
俺が好きでした事だ。
三黒も十分恩恵を受けてるし、
痣無しが気にする事じゃねえよ。
[当主間で交わされた事はお前の管理の外側と、
静かに紫煙をくゆらせながら、口調も放つ内容も、全ては彼の古い記憶のまま。]
(222) mzsn 2015/09/25(Fri) 01時半頃