[オスカーさんがバーの掃除を始めると、静かにしてようとテーブルの一つについた。本を読もうとして、ふと机に彫られた文字に気づいた]『世界の果ては、ボクたちのすぐ近くにつながっている』[『星の見える風景』の一節。これを彫ったのはヴェスお兄さんだ。いつかの酒の席にて、手持ちのちいさな彫刻刀で刻まれた一文。オスカーさんの手記に入っているかもあやしい、小さな出来事]――――――[気がつくと立ち上がって、]あ、あたしちょっと買いたいものがあるのを思い出したから出かけてくる。陽が沈むまでにはかえってくるから![オスカーにそう言いおいて、勢いよく宿屋を飛び出していた]
(220) 2011/04/10(Sun) 21時頃