−執事控室−
[霧となった主人を礼で見送ると、「黒薔薇」もまた「食事の間」から退出した。その場に客がいても、自分はもてなすどころか神経を逆なでする可能性すらあったからだ。]
[執事の控室に戻り、影が持ってきたダガーをじっくりと査定した。]
アンティークとしては価値がありそうだが、研がねばそれだけ……といったところか。
……成る程、この城はひどく瀟洒なつくりをしている。
[影に砥石を運ばせ、刃渡り30cmはあろうかという2本のダガーを丁寧に研ぎ始める。ほどなくして、年代物の美しいダガー達は、充分な殺傷能力を持った「兵器」へと変身した。]
相手の中には、長物を使う者も居る。間合いとしても、制する武器としても、これだけでは不十分だ。かといって、銃は使えない。
さて……どうしたものかな。
[再び腰にダガーを装備すると、「黒薔薇」は武器を探すために部屋を出て行った**]
(219) 2010/06/22(Tue) 13時頃