[麒麟が一声。嘶く。その長い長い咆哮が、突風となって吹き下ろされる。木々を揺らし、土を跳ねさせ、そうして一陣の風が吹き抜けた頃には空には新たな四頭の獣が現われていた。それらもまた、一目で霊獣と分かる神々しさ。四頭は麒麟に向かって頭を垂れる。明らかに麒麟に傅いていた。麒麟は四頭をじっと見降ろしていたがやがてもう一声嘶いた。四頭は心得たように、各々が四方の果てへ飛び去った。]
(216) 2022/08/08(Mon) 07時頃