― 船尾楼・梶 ―[ジェレミーがいったあと、また航海士は厳しい顔をした。 人狼のことなど、まだ知る由もない。 ただ、腰に手をやったとき、碧石の装飾銃に指が触れ、その冷たさに瞬いて、腰を見る。 女神の瞳の宝石などとは知らないけれど、 瞳と同じ碧は何かを感じたように、くらり一度よろめいて、一人、壁に手をつく。] なんだ……。[梶を片手にしたまま、もう一方で頭を押さえた。 呪いの宝石が、じわり、真綿で首を締め付け始めたことは知らず。*]
(216) 2014/12/10(Wed) 21時半頃