― 今年のはじめの方 ―
[新聞部の目下次期部長と噂されていた傘原が、ジュース一本のおごり(昼休みに嵌められた)のお返しとして新聞部の手伝いを求めてきた事があった。
急ぎの仕事らしく手を惹かれ、三年生から二年生、一年生の教室を通って新聞部の部室へ。放課後唐突の上級生のドタバタした来襲、一過に注目が集まるのが恥ずかしかったなどと記憶している。
その中に"誰か"がいたと気付くことはなかった。]
[傘原は残りの記事を書くから、と、自分の仕事に引きこもり、取り残されたのは新入部員真弓ちゃん>>2:176と俺。頭をポリポリと掻きながら嘆息一つ、混乱気味の新入生に話しかけた。
幽霊(←怖い)新聞部員よりも顔出してるってどういうことですかねぇ。心中ぶーたれながらも用意された枠の概形に装飾を書き加えていって、部を勘違いしたのだという話を聞いた。
傘原は一度捕まえると離さねぇからなー、と苦笑しながら、書くのが好きならばと、所属せずとも部誌に寄稿すればいいんじゃない?という提案をしたのは正解だったらしく。
今年、"早乙女スピカ"は『珠玉』に毎号寄稿するようになった。]
(215) 2014/11/17(Mon) 01時頃