─ 回想:車中 ─
[戸高・邪道院とは分乗することになった車中の助手席には、>>189 犯罪者のように肘から下の腕と、二の腕と胴体をくっつける形で鋼糸で縛り上げられた六合が座らされている。糸の先は束ねられて銃を握っている八家本の左手に繋がっていた。絵面はほとんどヤクザに誘拐された少年だ。
後ろに乗っている宇津木からの声に、前を見たまま、男は少し黙った>>203。]
……
[実際に、どこまでどうなるのかはわからない。何しろ実験台その1の九生屋は勝ち逃げして、どこへとも知れない場所に消えてしまったし。]
そうですね、…
…ざっくりとですが、副作用が大きい
抗がん剤治療みたいなものを
思い浮かべていただければいいかと。
[一般人にもわかりやすいだろうかと、イメージを伝える。体内のガン細胞だけを上手く攻撃し続けられればいいが、周辺にもダメージは蓄積する。『ちょうどよく』なるかは未知数だった。
ならない方の公算を、男は大きく見積もっている。]
(215) 2019/05/03(Fri) 16時頃