私は不老不死だぞ?
老いなどという感覚は持ち合わせておらん…。
…もっとも、もう既にあの頃の力など半分も残っておらぬからな。
[再び自嘲して、自らの手を見た。
戻ることもないであろう、自らの力。それでも不思議と心は満足していた。]
世界の崩壊…というやつか…?お前がそういうのなら真実なのだろう…。
そうか、異形の数も、亀裂も、増える一方なのか。
[空を見ながら、地平線の果てを見つめる。]
そうだな…むしろ、本来の私であれば、異形も崩壊も暇つぶしに参加する立場であったろうな…。
[それを成す気が起こらないのは、自らと同じ名を持つ少年の願い。]
すでに、同胞とまともにやりあうだけの力はもう無いさ。
かと言って、策を練り戦うことにおいても他の誰にも勝てんよ。知っているだろう?
[お前は全て知っているだろう?そう言いたげに笑って見せた。]
(215) 2010/09/16(Thu) 00時頃