[>>173 どれだけの時をそうして過ごしていただろうか。柔らかな陽光が白磁を撫ぜ始めていた頃、>>192 響く妖怪人間の声。]
――…ひぇあ?!
[己の重力が3秒の間、地球に逆らった。今度こそ身体中が総毛だった気がした。時間差攻撃とはこういう事を言うのだろう。驚いた弾みで、危うくキャンバスに肩がぶつかりそうになる。身を捻り、辛うじて事なきを得る。
長い眠りから目覚めたような陶酔感を身に残しつつも、恐る恐る部室のドアに近づき、ゆっくりと引く。レールとドアが擦れ合い、甲高い音を廊下に響かせた。]
だっ、……誰?
[鼻先まで無造作に伸びた、プラチナブロンドが揺れる。褐色の瞳が見据えた廊下の先には、ふわりふわりと立ち去る蝶。閑散とした直線上に靡くおさげ髪は、まるでプリマバレリーナ。]
うう……き、聞かれたのかなぁ……
聞かれたんだろうなぁ……俺じゃないって……ば、バレていない……よ、ね…
[膝に力が入らない。よろよろと、その場に崩れ落ちる。
最近打ち合わせで何度か話をしたし、記憶に間違いないだろう。――…打ち合わせ?]
あ――…そうだった。
[いつまでもここでorzする訳にはいかない。]
(211) 2014/03/04(Tue) 22時頃