[出向かないわけにはいかない…王との謁見に緊張が走ったが、これから離反する国の王の人となりを直接この目で見ておく良い機会だと思った。
すぐに外出しようとして、…不意に何かが閃いて足を止める]
……。
[虫の知らせか何かの予感か。
短いメモを作成すると、受け取ったばかりの封書と一緒に大きめの茶封筒に入れる。外出を伝えるついでに、家族にそれを預けた]
もし、サイラスがうちへ来たらこれを渡して。
あと、話がしたいから僕が帰るまでうちで待ってて、って伝えてくれる?
絶対に帰さないで、引き止めておいて。
[サイラスへ当てたメモには、己がこれから王宮へ出向く旨を伝えた。
あと、早まるな、と。一人で絶対に動くな、と念を推しておく。
こう付け足したのは分からない。ただ、頭のどこかで警鐘が鳴り響き、彼を今ここで止めないと永遠に失う…───そんな予感がしていた]
(206) 2011/11/15(Tue) 19時頃