[宵闇が空を覆う頃。格子の中、生けられた花の蜜が蔓延する。
桜の梢や藤など様々な天露が今も滴っているのだと思えば、なんと甘美なものだろうと。
だというのにこの方は相も変わらず可笑しなことを仰られるから>>198 嘲笑を浮かべようとして失敗した花は、僅か赤らんだ頬を隠すように水面を泳がせたのだったか。]
──…んっ、…
[胸元に添えられた指と薄布一枚隔てた熱に戯れを施されれば、吐息。
眼下の元、名を呼ばれれば僅かに瞳を瞠目させて。微かに眉を下げる仕草を。
やがて蝶の口吻から漏れた文句>>199には、劣情を煽る愛撫も忘れ僅かばかり呆気に取られてしまったように口元緩めつつ]
…私なりに優しく抱いて差し上げますよ?
[口端掠める前に一言落とし。決して触れようとはせぬ癖に強請るように食まれた唇を追いかければ、下肢に加わる圧力に。]
ん、…ぅ
[どくり、と。喉仏が音を立て下がったことを唇落とした蝶は気付いたか。]
(203) 2014/09/16(Tue) 11時半頃