そうだね、細かいところの練習には――ああ、そうだ。
ちょっと待ってて。
[ふと思いついて。
自室のクローゼットから引っ張り出してきた、お気に入りのロリータ服。
あまり普段から着るようなものではなかったが、デザインが好きだから買っていたものだった。
その服を着て、椅子に座り、絵を描くテルの前でポーズを取る。]
私がモデルになってあげるから、スケッチの練習ね。
複雑なフリルの構成とか、リボンの陰影とかも、細かいところまで蔑ろにせずに全部描くこと。
いい?
[リボンやフリルのついた、スケッチ練習のモデルには最適だと思ったこの服装。
まさかこんなところで役に立つとは思わなかったけど、楽しい時間だった。
この時を境に、彼の絵の練習のためという口実で。
――「ハロウ・バニィ」のロリータ服が、私の普段着として馴染んでいったのだった。**]
(200) 2015/03/16(Mon) 05時頃