―回想・放送室―
[清掃が始まる際は、放送委員がその時間を知らせるための放送を行う決まりになっている。が、その日の担当は一学年下の神鬼だった>>125
アナウンス文ではない彼のオリジナルの口上は、いつも級友たちの手によって止められている。生徒会選挙の事件があってからは尚更。
神鬼の口上は面白くて好きなんだけどな、と思っているがどうもそれを放送するのは良くないらしい……と考えていたところに級友にそれを差し出される]
『春吉、頼む。お前得意だろ?』
え……?
[神鬼の代わりに読めと言わんばかりに、アナウンス文を渡された。当の本人を見やると、これを読むのはどうやら嫌らしい。しかしこちらは渋る理由も特になかったので、言われるがままに読んだ。
こういう形式的な言葉を使う方が確かに得意ではあるが、日常ではなるべく使わないようにはしていた。以前、固過ぎると級友から指摘されたからだ。
そして淀みなく流れるアナウンスに、業務的な放送は亀谷に任せようと裏でこっそり決められたことに当人は気付いていない*]
(199) 2014/10/01(Wed) 23時半頃