[奴隷の時は、家畜の餌程度のものを人間の餌に変えて、なんとかみんなに喜んでもらおうと必死だった。
今は不興を買って絶望の主に殺されないように必死だ。
前より悪い。
自分が来る少し前に海に落ちたらしい前任の残したレシピのおかげか。それともプレッシャーのおかげか。
今のところまずいと言われたことはないから、まだ生きてる。
手品のように死をもたらす道化を思い浮かべ、怖くって笑えた]
ヒヒッ、ヒ、ヒ。
[階段をがつんがつん鳴らして、第2甲板へ顔を出せば、リーとヴェラの姿が見えて。
貧血と薬のせいで少し気だるい陽気さで、手を振った]
ぎゃっ。
[近付かなかったのは、リーの手にある鋸を見て。
リーの所業は、初めて見たときは三日ほど魘された程度に苦手だ。
故に、リーが鋸を持ってるときは近付かない。なんかいやだ。
とは、ヘクターにしかぼやいたことはない。
なんとなくリー本人も察してるかもしれないが]
(198) 2014/12/10(Wed) 20時頃