[先程の怖くなってきた、というメッセージが腑に落ちる。
なるほど、少し背筋がひんやりとしてきた。
『秋山くん、前日の、二回目は記憶ありましたよね?』
『もし、誰か、彼を見かける事があったら様子を窺って見てもらえますか?
私も見かけたら、そうします』
そんな文面をグループチャットに残しながら考える。
繰り返す9月1日の記憶を持つ者の中から、その記憶を失う者が出た。
つまり、次があってもまた記憶を引き継げるという保証がなくなってしまった。
記憶を持ち越して居るのが正しいと思っていたが、記憶を持ち越さない方が正しくて、正しい方へと修正されるのだろうか。
想像して、恐怖する。
修正されるのが怖いわけではない。
今の記憶が失われるのは惜しいが、失われた後の私はきっと何も感じないだろうから。
一人また一人と記憶を失っていき、最後に一人取り残される。
ただ一人だけ記憶を残して、同じ9月1日を繰り返す。
そうなる誰かが居るのかもしれない、と言うことが]
(196) 2019/09/05(Thu) 20時頃