いや、どう見ても怪しいし。胡散臭いし。ピエロだし。怪しむなって方が無理。[即答だった。距離を置くように一歩後退り、壁を作るように近くに居た梶の後ろに身を隠すようにして。それでも気になるのか、ちらちらと様子を伺う。ただ、従業員と言われれば、少し思案に眉根を寄せる。されど場所が場所。ここが彼の言う通りテーマパークなら笑顔で握手でも交わせそうなものだが、こんな閉鎖された合宿所ではその笑みを称える仮面すら不気味に映る。不信感は募り、やはり警戒の色が浮かぶのは仕方のない事。壁ににした梶と下駄の男の人が何やら会話をしている雰囲気だけは感じたけれど、控えめな女の子の声までは拾えずに居たことに瑞希は気づかない。>>190]
(196) 2015/02/02(Mon) 00時半頃