[平均より遥かに軟弱な体躯をしたディーンにとっては、"人並み"という時点で既に妬みの対象でもあって。
恵まれた体だと鼻を鳴らし……何とも惨めになったものだから、ついと視線を逸らした。
しっかりと食事を取れば筋肉もつくのだろうか、なんて。
日頃の不摂生を嘆いてみても、どうせそれを正したりはしない癖に]
……まあ、隠し持てそうな服は着ていたがな。
そう考えると、本当に変な奴の多い事。
[ぴこぴこ。
長い耳を揺らしながら言えば、何とも説得力があっただろう。
自分もその"変な奴"に入るなんて、全くの意識の外ではあったけれど。
流石にこの長い耳と纏った服は、"普通"と言い切れるものではあるまいに]
ああ、男だったよ。
……そういえば、女には会ってないな……。
[女の方が楽に殺せそうなのに、と。
至極残念そうに考えるものの、それは口にする事は無く]
(192) 2015/06/25(Thu) 22時半頃