―戴冠式の後・いつか>>@31―
あんな事を起こした僕を補佐につけるなんて、てっきりそう言う意図かと思いまして。
処罰らしい処罰も無ければ、反感を持つ向きもあるでしょうに。……では、試してみましょうか。
[思い返すのは、自分に疑いを向けてきていた師団長の面々の顔。やるとなるなったら、そんな反感に構う事もないのだろうけれど。どこまで本気か分からない口調で、表情も変えず、一度瞬く。
そうは言いながら。新しく国防を任された皇子に、付き従う姿が見られるようになるのは暫く後の事。「試した」のかどうか。それは定かでは無いのだが。]
氷も、何時までも氷って居ると寒くて凍えてしまいますので。
溶かされるのを、待っているものなんですよ。
――……皇帝陛下にのみお伝えして置く、秘密ですけどね。
[呆れたような笑みに、返す視線は僅かに細めて。**]
(192) pijyako 2011/04/05(Tue) 00時頃