―自室(202号室)―
まさか、あんなところに置いてあるとはな。
[ぼんやりと思い返すのは昨日ノックスと共に見たペーパーバックノベル。
タイトルは、作家を目指すここの瓶底眼鏡の少女なら知っているだろうか。
作家はデイヴィッド、一時期は世間に名を馳せていた作家である。
彼は一切メディアに顔を出す事はなく、作品の文体や色彩感覚から女性ではないかと噂されたくらいである。
顔を洗い鏡に映る自分の顔を見て、デイヴィッドがメディアに出ていたら
それはそれはきっと女性として持て囃されたのだろうなと溜息を吐いた。]
あれだな、多分隣の彼も勘違いしているな。
夕食は礼とは別だと答えてしまったが。
…いずれ幻想をぶち壊してしまわなければいいが。
[昨日の様子(>>110>>112>>119)からしても受け取れた。
けれど機嫌のよさそうな彼を見ているのは悪い気分ではなかったために
特に何も云えずに居たのだった。
それは勿論、妹が私を兄さんと呼んだ時(>>124)も。]
(190) 2011/08/09(Tue) 09時半頃