……あのぉ、わたしたち、その子から他にもひとがいるって聞いて……
[呼びかけた手前、歯切れ悪くも説明しながら、身体はそろそろと傍にいたピエロの後方へ。
着崩した学生服。それも、苦手なタイプなんだけれど、それよりも。
短髪の青年>>183が身につけている、その制服は紛れも無く、日常に目にしていた――最悪だ。
相手に見覚えはあるか、と言われると、少なくとも先ほどのモデルと名乗った男に対してよりは、ある。
校舎を歩く姿を目にしたことがあるとか、その程度ではあるが、悪くはないと自負する記憶力はきちんと機能していたらしい。
だから、知ってる。相手が、いわゆる"上の方"っぽい人と一緒にいたことも。
そういえば、茶髪の女性の制服にも、見覚えがある。近隣の学校の生徒かもしれない。
とにかく、相手に認識されていないことを祈るしかなかった。
フトーコーなんて、弱いっぽいから。]
(190) 2015/02/02(Mon) 00時頃