……そっか、よかった。 もしかしたら、もう、みんな忘れちゃったんじゃないかなって、少しだけ思ってた。[――その方が良かったのかもしれないけどね。そう言って微笑む私にあの子は小さく首を振り、言葉を紡ごうとして口を閉じてしばらく考えて、必ず伝えるから――ただ、それだけを私に告げた] ――ありがとう。 皆から、ずいぶん遅れちゃったけど――やっと、私も卒業できるよ。[これで、ようやく私の思いが届く。私の物語はこれでおしまい。あの二人によろしくね家路についたあの子を――もう一人の私を見送って、晴れやかな、翳りのない笑顔を私は浮かべた**]
(189) ひびの 2010/03/12(Fri) 12時半頃