人狼議事

301 十一月うさぎのないしょ話


【人】 啓明結社 カコ

[器に広がるスープはお店の外装を思わせる淡い赤色。
 銀色を沈め掬ったスープを、静かに口へ運んだ。
 疲れた身体の芯から力が抜けるような、暖かくて優しい味が広がる。自然と吐息が漏れる。

 次は、くたくたのキャベツの出番だ。
 繊維までしっかり煮込まれた葉は、口に入れるだけで蕩けるようだった。この時期甘みの増したキャベツは格別だ。
 トマトの酸味もクリームとキャベツの向こう、香草と共に僅かに顔を覗かせる程度だ。

 主役と言っても過言ではない白いソーセージは、フォークで捕まえた。
 野菜のお出汁をたっぷり吸ったお肉が、噛んだ瞬間弾ける。噛み締める度に肉汁が溢れて口内を満たした。
 そのまま赤い海を漂う貝、コンキリエを口に運べば、もちもちした食感と小麦の甘みが加わって、相乗効果のように旨味が広がっていく。]

(188) 2019/11/24(Sun) 01時半頃

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