白ウサギ![焦るその姿はまるで御伽噺のそれだと、学生は嬉々として帽子屋さんの手を引いて後ろ姿を見つめました。それが狼から逃げた赤頭巾とはついには知らず、夢にふやける脳でただ声を。帽子屋さんははたして、どう反応して来たのでしょう。しばらくしてまたカフェへと足を向かわせることになったのなら、学生は振り返った先、目立つ赤>>181にまたしても瞳を大きくして、チェシャ猫さん、声にならない透明な言葉と一緒に手を振ったことでしょう。この國には長いこと住んでいるけれど、悪目立ちとさえ取れる色を身に纏うのは猫しかいないと、妙な確信さえ抱きつつ。**]
(188) 2014/10/03(Fri) 23時半頃