ーー道中ーー
[朧様の邸へ向かっていると、何処からともなく声を掛けられ、どきりとする>>177
声のする方を見れば、そこには華月様が。正直会いたくなかったが、なるべく顔に出さないようにと、引きつった笑顔を。しかも”雪さん”と呼び名まで変わっている。何て近いんだ。と眉間に皺が寄ってしまう]
…華月様。
[と一礼した時に、左頬の鱗を思い出す。手首や首は何とか白い布で隠してはいたが、頬までは隠していなかった。女は頭を下げた状態で]
…無事に届きまして、何よりでごさまいます。
……お気に召されたようで、安心致しました…。
[何とか平静を装い、礼に対する気持ちを述べた。
しかし、このまま頭を下げた状態では不振に思われるので、ゆっくりと顔を上げる。左頬を見られないようにと努めたら、顔を背ける形になってしまった。目も合わせずに、至極失礼な態度だと分かってはいるが、これを見られるよりはましと思い]
…また、何か有りましたら……
では……
[軽く会釈し、早々に立ち去ろうとする]
(187) 2013/08/14(Wed) 22時半頃