……おかえり。ミー。[抱き上げると、温かかった。とても温かかった。胸に抱いて、とくとく弾む心音を重ねる。無垢な金瞳はどこまでも澄んでいてまるで初めて世界に触れる仔のように濡れて光っている。だから、か。ふたりで駆けた街の明かりを 菓子にはしゃぐキミを不器用に踊ったタンゴのリズムを 重ねた手の熱さを何度も名を呼んでくれた声を 月夜に交わした約束を思い出して。声を殺して、少しだけ泣いた。*]
(186) onecat69 2014/11/02(Sun) 18時頃