[薬がしっかり飲み下されるのを確認して、改めて男の前に座りなおす。]
さて、あんた…旅人、だろ?
これからどうすんだ?宿に泊まるのか?
[うちに置けるようなスペースはないから、寝泊りするなら宿を勧めるしかない。まさか既に確保しているなどとは思いもせずそんなことを。
男の返答を聞けば、そうだったのかと安心して]
あ、自己紹介が遅れたな。
俺はサイラス。ばっちゃんと二人で薬屋をやってる。
[簡単に自己紹介を済ませただろう。そうして]
その傷じゃ旅を続けるのは暫く無理だ。
膿んで熱を持たないともわからないし。
…まずは村の連中に顔見せて回った方がいいかもな。
[長閑で良い村だとは思っているけれど。
こんな山奥、あの迷いの森を隔てて、若干外の世界と隔絶されているこの湖畔の村は、閉鎖的な面も強くて。
よそ者が村へ入ったことは瞬く間に広まるだろうが、変な憶測が飛び交うといけない。だから]
(185) 2015/04/17(Fri) 12時頃