[…と、語りながら手渡そうとしたところでファイルの分厚さを見ただろう彼女のなにやらお預けを食らった猫のような、不機嫌そうな表情を一瞬見たような気がした。>>148
次の瞬間には大丈夫です、と強い肯定口調で頷かれたのだが――あぁこりゃあ引き継がれてないな、と何とはなしに理解した]
仕事、忙しいようだったら預かってくれるだけでいい。
明日以降、ゾノに会ったら、オレが「手ぇ抜くな」って言ってたとでも伝えてくれればアイツが自分の尻、拭うだろうしさ。
[腐れ縁だけに、入部の契機以外にも色々とそのくらいのことをやらせるだけの弱みは知っているので。
やってくれるならそれに越したことはないが、まあ最悪ちゃんと引き継がなかったアイツの自業自得なので頑張ってもらおう、と割り切る。
空いた手で顎を撫でてから、こころに書類を渡すのだった]*
(183) 2018/08/28(Tue) 23時頃