[柊木真理。彼は、輝也と違って、思ってもいないことを無暗に口にする男ではない。友人付き合いの中でそういう印象をもつようになった。彼が赤と言えば、彼は実際赤いものを見ている。
『逢魔が時』をスカウトして、ユウちゃんとあだ名をつけたということは。なるほど。やはり『逢魔が時』―ユウちゃんは悪いヤツではなかったようだ。少なくても、直接的な危害や悪意を孕んでいる様子はないのだろう。]
『マジで!?しんしん、すげぇな!!』
『やべェ、テンパって逃げたから超失礼だったかもwww』
『すまんってつたえたいwww』
『明日、化学部いくわ。ユウちゃん紹介して〜』
[輝也の見立てでは、周りが揶揄するほど真理は常識外れでもなければ狂乱的でもない。常識的な配慮も気配りもできてる男だ。ただ彼の頭の回転速度と熱量に周りがついていけていないだけだ。
正直、輝也も振り回されている感は否めないが、それすらも楽しめているので彼との付き合いはやめられない。むろん、手をたたいて喜んでいる今この瞬間もだ]
(182) 2022/09/05(Mon) 23時頃