…なあ、…居るんだろ…?
[街中の閑静な一角。
周囲に人の姿がない路上で急に足を止めると、背後を振り返って誰もいない空間に呼びかけた。
つけられている気配は感じられない。
だが”居る”と確信している。主人に命じられ己を監視する影のような者が。彼らは監視し、離反の動きがあったらすぐに主人へ報告する…そんな役目を担ってる、はず]
うちは食堂じゃなくて本屋なんだけど。”あんな”の…沢山届けられても困るよ。
[”影”は姿を現さないが、声は届いているだろうと思いつつ、続けて語りかける]
だからさー、他の仕事をくれる?って伝えてきてよ、……。
[反応が得られるとは思っていなかったが、これで本当に誰もいなかったら自分ただの間抜けだ、そう思いつつ踵を返して再び歩き出す。
そして、…の背後より少し離れた路上で何かの気配が一瞬だけして、それは街外れのとある一角に向かって移動し始めた。得たばかりの伝言を持ち帰るために。無論、その動きに…は気づかない。**]
(181) 2011/11/13(Sun) 01時半頃