〔ヨーランダ宅を思わず飛び出してしまったリンダはさっそく後悔していた。
ドアの前で右往左往し愛しいヨーラの身を案ずるが、結局部屋へ戻ることはしなかった。舞い戻った所でハーレム要員その2に成り下がるだけだと解っていたからである。リンダは完全にケヴィンを敵視していた。
とにもかくにも、冷静になる時間が必要だとリンダは墓地を散歩することにした。〕
せっかくだからお父さんとお母さんに挨拶して行こうかな。
……あら?
〔不意に違和感を感じた。よく見ると墓が掘り返されている。〕
ひどい…
これがヨーラの言っていた墓荒らしかしら…
〔しゃがんでその堀後をよく見る。シャベルで掘り返されたような跡。何かを物色されたような跡。それが動物のそれではないことは容易に想像できた。〕
ヨーラ、私を心配させないようにあんなことを…
やっぱり早く対処しなくちゃ…!
〔リンダは掘り返された墓土を時間をかけて丁寧に戻し、名も知らぬ先人の供養をした。〕*
(181) 2013/07/31(Wed) 15時半頃