[確かに、廊下の真ん中というのは何人も集まるには向いている場所ではない。ホールに向かおうという瑛美の提案>>176 について、千秋に拒否する理由はなかった。
しかし、年齢を間違われたことを気にしていないと言ってくれた少女の言葉に、千秋は反応した。>>@29]
呼んでくる……て、あんまり一人では動かん方が……。
[あるいは、本の読みすぎだと笑われるかも知れない。「こんなところに居られるか!」みたいな台詞こそ言っていないものの、こういうとき、一人になってはいけないという気が、千秋はしていた。
しかし千秋の言葉は間にあわず、もう日向はこちらに背を向けて歩き出そうとしていた。>>@30]
あ、ちょお……!
すんません、ホール、先に行っとってください。僕は、日向さんと一緒にその、四人? の人らを、迎えに行ってきますわ。
[瑛美たちに早口でそう告げると、千秋は日向の背を小走りで追いかけた。しかし、その気遣いは無駄に終わるようだった。日向を追いかけたその先に、いくつかの人影が見えた。]
(181) 2015/02/01(Sun) 23時半頃