[イアンが冊子を開けばシメオンも同様にパラパラと冊子の頁を捲り>>173。
シメオンは課題をやっている振りをしてイアンの方を盗み見た。その眉間には皺が寄っていて、冊子を捲るスピードから流し読みだという事が分かり、…やはり今のイアンには勉強を真面目にする気は無いのだなと心の内でそっと溜息をついた。
話し掛ければイアンが顔を上げる。自然と視線が交わっただろうか。
イアンがサミュエルの話しをする間、じっとイアンを見ていた。どうやら上手くいっているらしい。矢張り心配する必要なんて無かったな、と思った時だった。イアンが言葉を途切らせる。
おやっと思って、イアンを見る目が探る様な目つきに変わってしまったが。イアンは気が付いたかどうか。
何だか歯切れ悪く訊ね返して来るイアンについつい、]
何だ、お前達喧嘩でもしたのか?
(179) 2014/01/23(Thu) 22時半頃