>過去
キランディは天使になる前までの全ての記憶を失っている。その為自分が元はどんな人間だったのか、そもそも人間だったのか、初めから天使として生まれたのかもわかっていない。
役目による忙殺と不可視の存在である事が、他者との接点不足、次いでは己を見つめる機会を失い、結果「願いも記憶も無い、人間より劣った孤独な生き物」として自己の根底が形成されてしまった。
主がそのように作ったのならと疑わず、本人はそれを気にしてはいないとしているが、自己愛の欠如は自身への興味の喪失にまで至っている。他者を幸福に導いた時に己へ誇りを持つだけで、己の肯定を他者の中にしか見い出せない。
本編ではそれらを原因に、後述する「悪魔」を生み出してしまっている。
キランディの記憶については何の媒体でも一切語られない。が、後に発売されたファンディスク内シナリオ『Episode 0』、『孔雀と風鳥』の中に、今の精神の根底を形成するまでの天使になりたて当時や「人間の脆弱性」について主と喧嘩になりかけた等の天での過去話は一部語られる。
(177) bou 2020/01/24(Fri) 02時頃